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財政検証に向けて議論を重ねる社会保障審議会年金部会の有識者ら=2024年4月16日、東京都千代田区
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 公的年金の見通しをチェックする「財政検証」に向け、厚生労働省は16日、社会保障審議会年金部会に対して、前提となる経済状況などのほか、国民年金(基礎年金)の支払期間の5年間延長や、働く高齢者の年金減額の見直しといったケースについて試算する案を示した。来年には年金制度の改正が予定されており、これらを踏まえた議論が本格化する。

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 5年に1度実施される年金の財政検証では、人口や経済の動きなどを想定し、年金の給付水準の見通しを確認する。年金の「健康診断」とも呼ばれ、この検証結果をもとに年金制度を見直す。今夏にも結果が公表される予定だ。

 16日に議論されたのは、年金財政に影響する将来の人口や働き手の数、経済の前提のほか、見直しを検討するために実施する「オプション(選択肢)試算」の案だ。

標準月額報酬の上限引き上げも検討

 その一つとして、基礎年金の…

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